冷凍(生)のホタルイカを購入していろいろなレシピを作りました。
その際にちょっとした、もめごとがありました。
ホタルイカは生で食べられるか、食べられないか問題です。
ホタルイカは寄生虫がいるから、絶対に生でなんか食べないぞ!
と、怒りだした父親です。
ホタルイカを生で食べたらお腹壊すの?が、今回のテーマです。
また、処理の仕方を解説します。
ホタルイカの寄生虫(旋尾線虫)
冷凍(生食用)と書いてあるものをわざわざ購入したのに、食べないなんて・・・
と思い調べましたよ。
確かに、ホタルイカには、寄生虫がいました。
旋尾線虫(せんびせんちゅう)という種類の寄生虫です。
ホタルイカの2~7%に寄生していると言われています。
旋尾線虫を生きたまま食べると
Q.この旋尾線虫を生きたまま食べる(体内に入れる)とどうなるか?
A.感染部位により・・・
- 腸閉塞型
- 皮膚跛行疹型
- 前眼房寄生型
に分類される症状が出る場合があります。
その中でも、急性で重篤な症状は腸閉塞型が最も多いそうです。
例として、腸閉塞型の症状や治療法は・・・
症状
摂食後、数時間〜2日後より腹部膨満感、腹痛。2〜10日の腹痛と嘔吐を伴う。
治療法
腸閉塞型では、基本的には保存的療法のみで1-2週間で治癒しますが、劇症型の場合では、閉塞症状が強く、やむを得ず手術により腸管の摘出が行われた報告もある。
劇症型は手術に至った例も!怖いですね。父親が言い張った理由も分かりました。
症例はどれくらいあるの?

夜の海でホタルイカが海で光っている所です。
この幼虫は今から36年前の1969年に秋田の腸閉塞の患者から発見されたと74年に論文で発表されたのが初めての症例です。その後80年代半ば頃より次第にこの寄生虫による症例報告数が増加しましたが、95年には本症の報告は1例にとどまりました。しかしながら、その後96年より再び患者がみられるようになり、2003年までにこの寄生虫による「皮膚爬行症」が23例、「腸閉塞」24例、及びその他2例の合計49例の報告があります
結構、前の情報ですけど、95年には1例にとどまり、2003年までに49例と、そこまで多くはないのかな?という印象ですね。
寄生虫の害にあたらないためには
- 旋尾線虫の寄生虫は高温には弱いため、沸騰で、30秒以上、中心温度60度以上で処理
- ホタルイカの内臓(胃・腸)を取り除く
- 冷凍する(方法は、下記)
内臓を取り除く
ホタルイカの旋尾線虫は、内臓の中にしかいないので内臓を取り除くと旋尾線虫にあたる確率は下げられます。
冷凍の方法
- -30℃の低温で4日間以上
- -35℃(中心温度)では15時間以上
- -40℃で40分以上凍結処理
内臓(ハラワタ)までいただくためには、かなり低い温度で凍結処理しないといけません。
一般的な、家庭の冷蔵庫はそこまで温度が下がるのでしょうか?
家庭用の冷蔵庫で処理はできるのか
JIS規格によると下記のように定められています。(ツースター、スリースターというのは、冷蔵庫の性能を表わすものです。)
JIS規格 | ツースター | スリースター | フォースター |
---|---|---|---|
冷凍室内の食品温度 | -12℃以下 | -18℃以下 |
家庭用の冷凍庫ですとホタルイカの旋尾線虫を死滅させる基準に満たないですね。自分で漁をして取ったホタルイカに関しては、家庭用の冷凍庫で冷凍してから、解凍して生でいただくというのは、この基準から言うとダメですね。
ホタルイカにいる可能性がある、寄生虫を死滅させるには、熱処理か、冷凍処理です。また、内臓にしか生育できないので、内臓を取ればあたる可能性は低くなります。
アニキサスも冷凍処理で
サバやイカに寄生するアニキサスも冷凍処理で死滅します。
よく、スーパーで、冷凍のシメサバ購入する機会がありますが、あれは理にかなっているのですね。
食中毒にも注意
生ものですので、食中毒には注意しましょう。
私の購入したお店の注意書き
当店では、ホタルイカを安全にお召し上がりいただけるよう、-30℃で4日以上凍結し、寄生虫を死滅させた後出荷しています。どうぞ安心してお召し上がりください。
お店側が、安心してお召し上がりください。と書いていただいてあるのは安心です。
まとめ
ホタルイカには、寄生虫の
旋尾線虫
が、いる(2~7%)場合があります。自分で漁をして食べる際には十分に注意しましょう。
旋尾線虫の害を予防するには、
- 熱処理を加える
- 内臓を取り除く
- 冷凍処理をする
です。基準では、最低でも-30℃で4日以上の温度になりますので、一般的な家庭用の冷蔵庫では、基準の温度には至りません。
上記を注意して美味しくいただきたいですね。
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